遺品整理中に現金を見つけたら?法律上の扱いやトラブル防止法を紹介

遺品整理の最中に現金を見つけた場合、どう扱えばよいか迷う方は多いはずです。法律上の取り扱いを誤ると、親族間のトラブルや税金の問題に発展するケースもあります。
本記事では、発見時の正しい対応や手続きの流れを分かりやすく解説します。
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遺品整理中に現金を見つけたときの正しい対処法
遺品整理で現金を発見した際に行うべき対応は、以下のとおりです。
現金の保管場所と金額を確認する
まずは、現金の保管場所と金額を確認します。封筒や金庫に入っていた場合、メモや口座情報などの関連資料も一緒に確認しておくと安心です。焦らず慎重に確認すれば、後の手続きがスムーズになります。
発見した現金を一時的に保管する
見つけた現金は、他の遺品と混ざらないように分けて保管しましょう。勝手に使わず、相続人全員へ報告しておくのが基本です。透明性を保てば、誤解や争いを避けられます。
発見時の状況を記録する
発見した日時や場所、封筒の有無などをメモや写真で残しておきましょう。証拠を残しておくと、説明を求められた際に信頼性が高まります。記録の有無が後の安心につながります。
遺品整理で見つけた現金の法律上の扱い
遺品整理中に発見した現金は、以下のように扱われます。
遺産として相続財産に含まれる
遺品整理で見つかった現金は、基本的に故人の財産として相続対象になります。相続人全員で共有する形となり、分配方法は協議で決めます。個人判断での使用は避け、必ず話し合いのうえで対応しましょう。
相続人がいない場合は自治体が管理する
相続人が存在しない、または全員が相続放棄をした場合、最終的に現金は自治体や国庫の管理下に置かれます。発見者は警察や役所へ届け出を行い、指示に従って対応します。
拾得物扱いになるケースを確認する
故人以外の所有と見なされる場合は、拾得物として警察への届け出が必要です。一定期間を経ても持ち主が現れなければ、発見者や相続人に権利が移る場合もあります。
遺品整理で現金を見つけた後に行う手続き
現金を見つけたら法的な流れに従い、以下の手続きを進めましょう。
遺産分割協議で現金の扱いを決める
複数の相続人がいる場合は、協議のうえで現金の分配方法を決めます。誰がどの割合で受け取るのかを明確にし、全員の合意を得た上で進めましょう。
相続税の申告が必要か確認する
見つけた現金が一定額を超える場合は、相続税の対象になります。相続開始から10か月以内の申告が必要なため、早めの確認が欠かせません。金額が多い場合は、税理士に相談すると安心です。
弁護士や税理士など専門家に相談する
判断が難しい場合や親族間で意見が食い違う場合は、専門家の力を借りるのが最善です。中立的な立場で整理を進めてもらうことで、余計な対立を防げます。
親族間のトラブルを防ぐための注意点
現金を見つけた際に起こりやすい問題を避けるため、以下の点に注意しましょう。
現金の扱いを全員で共有する
発見した現金の金額や保管場所は、全員で共有します。透明性を確保することで、信頼を保ちながら整理を進められます。報告を怠ると誤解を生む原因になるため注意が必要です。
判断に迷うときは第三者を交える
判断が難しい場合は、弁護士や司法書士など第三者に相談しましょう。客観的な意見を取り入れれば、感情的な対立を防げます。冷静に話し合いを重ね、円満な解決を目指してください。
勝手な処分や使い込みを避ける
現金を個人的に使ったり処分したりするのは避けましょう。小さな誤解が大きな問題へ発展するおそれがあります。関係者全員に報告し、正式な手順を踏んで対応することが大切です。
現金を見つけたら冷静に手順を踏んで対応しよう
遺品整理中に現金を発見したときは、慌てず冷静に行動することが重要です。記録・報告・手続きの3つを意識して対応すれば、法的な問題も親族間のトラブルも防げます。適切な流れを守り、安心して遺品整理を終えましょう。